マミさん

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「マミさんに嫉妬していたの?」 クスリ、と笑われて一気に顔が赤くなる。 「う~ん…そういう事だと、美佳子さんの中で僕って物凄く酷い男だよね?」 確かにそんな風に思っていた。 それは認める。 完全に騙された…マミさんに。 あの名も知らぬ酔っ払いの男に。 ふつふつと怒りが込み上げる。 …でも、でもね。それでも駿君じゃないと駄目って思ったんだよ。 「マミさんは喜ぶと思うけど。」 駿君はちょっと鼻にしわを寄せた。 「お店でも僕の名前を出したりしてしつこい客避けしたりしてさ、困った人だよね。」 「確かに…」 でも、病室でマミさんがお節介を焼いてくれなければ今頃ここには居られなかった筈だから。 「今度、マミさんのお店に飲みに行きたいな。」
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