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『呉紫城 要(クレシキ カナメ)と申します。貴女は主人になられたのですから、何でも命令なさって良いのですよ?』
「は、はいっ」
そうは言われても実際のところ〝命令〟だなんてできない。
頼むことぐらいはできるかもしれないけど、だって今も……ほら
「…っ」
身長差と、彼の瞳。
圧倒される。
『…? どうかなさいましたか?』
「い…いえっ!!」
やっぱり見過ぎたっ!
『そうでございますか? では立ち話しも何ですし。そろそろ屋敷へ戻るとしましょう』
「あ…、そういえば何でここってわかったんですか?」
あたしがそう聞くと呉紫城さんは、ふ、と笑った。
『そうですねぇ…。強いて言うなら勘でしょうか』
「か、勘?」
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