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―――…
「わぁ……!」
プラチナ色の十字架に。
純白な壁を彩る、深い虹の架かったような大きなステンドグラス。
それは差し込む光で内部を飾っていた。
言葉をなくして私は、深紅の絨毯の上をゆっくりと歩きはじめた。
別世界に来たような神秘的な感覚に纏われて自然と十字の前で膝を着いた。
瞳を閉じ、手を合わせてゆっくりとお祈りをする。
その後は少し余韻に浸りながら、教会を後にした。
―――…
「……」
まだ頭がぼうっとする中、これからのことを考えなくちゃと小さく唸りをあげた。
やっぱり車で来るべきだったと、どうしても同じことばかり考えてしまう。
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