楠さん、先生の秘め事?

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5限目の化学。 誰もが睡魔と戦いながら 授業をうける最中、 低く冷たい声色で淡々と 教科書を進めていく化学教師と、 「次の問3、出席番号12―… 楠さん、答えてください」 あてられた瞬間 不味そうな表情を浮かべ 立ち上がる生徒がひとり。 「イ、です―…か?」 「はい、違います。 かわりに次の人、答えて」 こんな二人の関係は――……? 「…―先生、何であてるんですかっ!!」 放課後。 化学準備室でそう言うと 「12番が楠さんだったなんて 知らなかったので」 何食わぬ態度で 私に微笑みかける先生。  
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