1458人が本棚に入れています
本棚に追加
「…私も千尋みたいだったら
良かったのに」
ポツリと独り言のように
吐き出したそんな言葉を
大樹は、は?姉ちゃん?と
どうして?と問うように拾う。
私は机に伏せていた体を起こし、
頬杖をついて窓から遠くを見つめ
ゆるりと答えた。
「千尋はさ、
雰囲気が柔らかくてのんびりしてて
女の子って感じじゃん。
だから良いなぁ、なんて…」
でもまぁこんな事思っても
今さら自分がそんな風に
女の子っぽくなれる訳でもないし、
なんか、
そんなの私じゃない気がするし。
……――今のままの、
このままの私を女子として、
好きって言ってくれる人、
居ないかなぁ―…
最初のコメントを投稿しよう!