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この表情、絶対知ってて当ててる…!
「先生のきちく…」
なんて呟いて、
ちょぴり不満げに見つめると
「そういうの…―嫌いでした?」
自分の元へと私を手招きしながら
さっき見せた悪戯な表情とは違う
艶めいた微笑みを向けてくる。
「……その質問、ずるいです」
嫌いじゃないから、
こうやって素直に手を引かれて
抱きしめられてるんですよ…?
全部見透かされてるのが悔しくて
先生の胸板におでこを
ぐりぐりと擦りつける。
すると先生はそんな私を見て
くくっと喉をならして笑う。
密着してるから
すぐに伝わってくる体温。
着ているシャツからは
洗濯洗剤と先生自身の香りが
鼻をかすめる。
平凡な日常の中に流れる
小さくても幸せな空気…
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