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ゆっくりと静かに響くその声。
「お菓子作るのが趣味だったり、
テディベアが大好きで
部屋にいっぱい飾ってたりとか。
虫が苦手で、この間なんかさ、
蝶々が自分の方へ飛んできただけで
泣きそうになってたり……
でも、それを周りに気付かれないよう
必死でこらえてたっけ」
一つ一つ、
確かめるように口にする。
顔を上げるとまた目が合った。
今度はさっきみたいに
凛とした感じじゃなくて―…
「ほら、ほのか姉は十分女の子だろ?」
そう言って、くしゃっと笑う大樹。
元々細くて切れ長な目が
更に細くなる。
この笑顔は昔から変わらない、
見てるとこっちまで
つられて笑っちゃうような
優しい笑い方。
「…―ふっ、はは」
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