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「さむーいっ!」
冷たい風が吹く庭を、灰猫と政宗は歩いていた。
「だから部屋ん中いりゃあ
よかったんだよ」
後ろから聞こえた政宗の呆れたような声に、灰猫は手を擦り合わせながらにっこりと笑った。
「だっていつまでも
公務公務公務で部屋の中
籠ってるの
嫌なんだもの!」
せっかくの休憩なんだから、外の空気が吸いたいじゃん。
そう言いながら、擦り合わせた手にはあといきをかける灰猫を見て、政宗はくくっと笑う。
「餓鬼だな」
「いーっだ!
だってまだ十代だもんっ」
眉間にぎゅっとシワを寄せる灰猫に近づいて、政宗は手を握った。
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