18.月の光射す湯気の中で

7/48
前へ
/1841ページ
次へ
「そして、そう思っていたらこの状況に何時の間にかなっていたから……何と言うか、意外だったと言うか、驚いたと言うか」 「わ、わたくしは別に……その、流石に態とでしたら有無を言わさず追い返していますが、今回の事の顛末が薄野の陰謀のせいだとしたなら、貴方をここから追い返すのは無粋だと――そう思っただけですわ」 そう言った楓はほんのりと赤く染まってしまっている頬を隠すように顔を半分だけお湯に浸ける。 赤くなっているのはお湯に浸かっているからなのか――それとも、“何かの感情”が原因なのか。
/1841ページ

最初のコメントを投稿しよう!

477人が本棚に入れています
本棚に追加