18.月の光射す湯気の中で

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しかし、それが更なる災厄を楓に齎した。 大量のお湯で濡れた床で足に力を込めた為――楓は足を滑らせてしまったのだ。 「キャ……ッ!」 視界が前方から天井に見える天然のプラネタリウムへと移って行く――楓は自身の体が後方へと倒れて行くのを感じていた。 そして、楓の丁度後ろを歩いていた翔太はその出来事を目の当たりにしてハッとする。 「危ねえ!」 翔太はこちらへと倒れてくる楓の体に向かって手を延ばす。
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