18.月の光射す湯気の中で

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間に合え――翔太は心の中でそう念じながらも楓の体の後ろに上手く滑り込んだ。 ガッ、と翔太は倒れてきた楓の体を無事に受け止める事に成功した。 「ふぅ……危なかった」 翔太は楓の体を抱き抱えたまま安堵の息をつく。 「大丈夫か、西園寺さん?」 「え、ええ、わたくしは大丈夫――」 と――そこまで言い掛けて。 「!」 楓は自分の現状にハッとして再度目を見開いた。 楓が目を見開いたのは勿論驚いたからである。
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