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「い、イヤ、今のは違うぞ、違うんだ西園寺さん!
今のは西園寺さんを助けようとして偶然と言うか、何と言うか、不可抗力と言うか――」
「解っています」
不意に楓の背中から返ってきたその言葉に翔太は途中で口を噤んだ。
「……解って、います」
再度そう呟きながら――楓はタオルを体に巻き直す。
それから、楓は自身の胸の辺りへとそっと手を当てた。
すると、体の中から心臓の鼓動が聞こえてきた。
ドクン、ドクンと――何時もより早く心臓が鼓動を打っている事に楓は気付く。
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