18.月の光射す湯気の中で

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「…………」 更に――楓は静かに目を閉じた。 そして、先ほど背中の肌で直に感じた“その感触”を思い出す。 それは翔太の肌と自身の肌が直に触れ合う感触。 それは翔太の体越しに感じる事が出来た――。 翔太の心臓の、鼓動。 「…………」 楓は閉じた時と同じように静かに目を開ける。 それから、クルリと後ろを振り向いて翔太と対峙した。 そして――。 「……神前、翔太」 “その名前”を囁くように呼ぶ。
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