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「……ハイ?」
翔太が目をパチクリと瞬きながら唖然とした声を返すと同時に。
楓がゆっくりと前に――翔太の方へと歩き出す。
一歩、二歩、三歩。
楓が歩く度にピチャリという音が閑静な浴場に反響した。
「……お、オイ」
目の前で立ち止まった楓に翔太は一歩後ずさりを見せようとして――。
「動かないで」
こちらを見上げてくる楓のその言葉に思わずその足を止めた。
「……動かないで、下さい」
囁くようにその言葉を復唱して――楓はゆっくりと背伸びをし始める。
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