18.月の光射す湯気の中で

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「…………」 「…………」 そして――湯気立ち込める浴場に残された翔太と楓は互いに無言で顔を見合わせて。 「……俺、とりあえず体を洗いたいんだけど」 「し、知りませんわよそんなの……洗いたければ勝手に洗えば宜しいではありませんか」 「イヤ、だから、西園寺さんがここから出てくれないと色々と気まずくなるだろうが」 「うっ……ひゃ、百も承知でしたわよ、そんな事!」 そう声を荒げて楓は片方の手でタオルを押さえつつ先ほど亜里沙が姿を消した女性専用の脱衣所へと歩き出す。
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