新入生挨拶[客観]

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「おい、可愛い子いるかな?」 「さあな、俺ロリコンじゃないし興味ねえよ」 「ばっ…2歳しか違わねえのにロリコン扱いかよ?!」 「ねー、イケメン君いるかなあ?」 「いなかったらもう最悪だよね―」 『新入生から挨拶です』 甲高い、女教頭がマイクを持ち体育館の舞台横に移動する。 生徒は、期待なぞしていない。 (優等生ってメガネか不細工だしね) なんて。 中には携帯をこっそりいじる奴もいる。 『雛木、  雛木桃さん』 教頭がマイクを持ち喋る。 「……はい」 消えそうな声。 透きとおる声。 その声の持ち主は、新入生の塊から抜け出し舞台に向かい歩く。 「おい見ろよ…」 1人生徒が呟く。 「すっげ―かわいい…」
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