🆕そんな趣向(小話)

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手で肩を掴んで、無理矢理体を離すと、膨れっ面で此方に手を伸ばしてくる 「先輩、もう寝「おれはこどもじゃないぞ」 あんな子供騙しじゃ納得しないと訴えてくる 「ふれんちきすがいい」 潤んだ目に上目遣い 「はぁ…………後で、恥ずかしくなるの幸村先輩ですよ?」 諦めも含めたため息を深く吐き出すと、幸村先輩の瞳がきらきらしだした。 「ならないもん」 胸を張って言わないで下さい…… ほんと普段の先輩とは別人だ。 もう、いーか 俺は止めたし、俺は悪くないよな。 言い出したら先輩は聞かないし 「だったらいーですけどね」 顎に手を添えて 上向かせると噛みつく様に口吻けた そのまま紅い唇の隙間に舌を忍ばせると、歯列をなぞって、熱い舌を絡めとる 「ん……っ、ふぅ」 苦しいのか 先輩が胸元を握りしめて、俺の服に皺をつくるが、それでも解放する気はなく、更に無遠慮に口内を犯す 「……っ、は」 頃合いを見て、唇を放してあげると、予想通りに力が入らなくなった体がくたっと寄り掛かってきた。それを危なげなく受け止めて、膝裏を掬い上げるようにして抱き上げる。 「そーいちぃ……」 「そーいちぃ……?」 「はいはい、此処に居ますよー」 眠気で、持ち上がらない瞼で視界が閉ざされてるのが不安なのか、何度も名前を呼ぶ 此処にいる、と その度に宥めるように顔中にキスを降らせると、安心したように口元が綻んだ。 そんなこんなで なんとかベッドまで運ぶと、そっと横たわらせ、胸元まで布団を掛けてやった 「おやすみ、先輩」 穏やかな寝息をたてるだいすきな恋人の額に、ひとつキスを贈ると 俺は、静かに部屋を出た。  
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