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手で肩を掴んで、無理矢理体を離すと、膨れっ面で此方に手を伸ばしてくる
「先輩、もう寝「おれはこどもじゃないぞ」
あんな子供騙しじゃ納得しないと訴えてくる
「ふれんちきすがいい」
潤んだ目に上目遣い
「はぁ…………後で、恥ずかしくなるの幸村先輩ですよ?」
諦めも含めたため息を深く吐き出すと、幸村先輩の瞳がきらきらしだした。
「ならないもん」
胸を張って言わないで下さい……
ほんと普段の先輩とは別人だ。
もう、いーか
俺は止めたし、俺は悪くないよな。
言い出したら先輩は聞かないし
「だったらいーですけどね」
顎に手を添えて
上向かせると噛みつく様に口吻けた
そのまま紅い唇の隙間に舌を忍ばせると、歯列をなぞって、熱い舌を絡めとる
「ん……っ、ふぅ」
苦しいのか
先輩が胸元を握りしめて、俺の服に皺をつくるが、それでも解放する気はなく、更に無遠慮に口内を犯す
「……っ、は」
頃合いを見て、唇を放してあげると、予想通りに力が入らなくなった体がくたっと寄り掛かってきた。それを危なげなく受け止めて、膝裏を掬い上げるようにして抱き上げる。
「そーいちぃ……」
「そーいちぃ……?」
「はいはい、此処に居ますよー」
眠気で、持ち上がらない瞼で視界が閉ざされてるのが不安なのか、何度も名前を呼ぶ
此処にいる、と
その度に宥めるように顔中にキスを降らせると、安心したように口元が綻んだ。
そんなこんなで
なんとかベッドまで運ぶと、そっと横たわらせ、胸元まで布団を掛けてやった
「おやすみ、先輩」
穏やかな寝息をたてるだいすきな恋人の額に、ひとつキスを贈ると
俺は、静かに部屋を出た。
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