🆕そんな趣向(小話)

5/6
前へ
/46ページ
次へ
「んー……あ?」 ぐいーっと 伸びをすると、不思議そうに辺りを見回す先輩。 「おはようございます、先輩」 にっこり笑い掛けると、不振そうな瞳を向けられる が…… 暫くすると、昨日のことを思い出してきたらしく、かぁああっと頬を染めたあと、反対に蒼白になった 面白い。 「あ、あ……あ」 「なに喘いでんの?」 「あ、喘いでない!じゃなくて、昨日は酔ってて…………そのだな」 「だーから、幸村先輩が恥ずかしくなるって言ったのに」 「う……」 反論も出来ずに 昨夜の自分の行動が恥ずかしすぎたのか、ばふんっと布団を被って隠れてしまった。 「…………」 このまま、放っておいて欲しいんだとは分かるけど 生憎逃してあげるつもりはない 俺はベッドに片膝着くと、ぐいっと乱暴に布団を剥ぎ取った 「せーんぱい」 びっくりしてる先輩の両脇に手をついて、退路を断つ。 「な」 「昨日、あんなに散々煽ってくれたんだし、付き合ってくれるよね?」 「じ、冗談じゃないっ」 「ふーん…………俺は、別に昨日抱いても良かったんだよ?抱かなかったのは先輩のた、め。先輩が自分から腰振って、気持ちいいとか、もっとしてとか言っちゃったの、次の日思い出したらさー……先輩恥ずかしいどころの話じゃないでしょ?」 「……なっ」 「先輩、拒否権あると思う?」 顔を歪めて悔しそうに睨んでくる先輩に、片側だけ口端を持ち上げると なにか文句を言われる前にと、先ずはその唇を塞いだ……―――― END.
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加