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「んー……あ?」
ぐいーっと
伸びをすると、不思議そうに辺りを見回す先輩。
「おはようございます、先輩」
にっこり笑い掛けると、不振そうな瞳を向けられる
が……
暫くすると、昨日のことを思い出してきたらしく、かぁああっと頬を染めたあと、反対に蒼白になった
面白い。
「あ、あ……あ」
「なに喘いでんの?」
「あ、喘いでない!じゃなくて、昨日は酔ってて…………そのだな」
「だーから、幸村先輩が恥ずかしくなるって言ったのに」
「う……」
反論も出来ずに
昨夜の自分の行動が恥ずかしすぎたのか、ばふんっと布団を被って隠れてしまった。
「…………」
このまま、放っておいて欲しいんだとは分かるけど
生憎逃してあげるつもりはない
俺はベッドに片膝着くと、ぐいっと乱暴に布団を剥ぎ取った
「せーんぱい」
びっくりしてる先輩の両脇に手をついて、退路を断つ。
「な」
「昨日、あんなに散々煽ってくれたんだし、付き合ってくれるよね?」
「じ、冗談じゃないっ」
「ふーん…………俺は、別に昨日抱いても良かったんだよ?抱かなかったのは先輩のた、め。先輩が自分から腰振って、気持ちいいとか、もっとしてとか言っちゃったの、次の日思い出したらさー……先輩恥ずかしいどころの話じゃないでしょ?」
「……なっ」
「先輩、拒否権あると思う?」
顔を歪めて悔しそうに睨んでくる先輩に、片側だけ口端を持ち上げると
なにか文句を言われる前にと、先ずはその唇を塞いだ……――――
END.
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