変わらない

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銀「ねぇ、高杉…」 高杉は、銀時の声に小さく反応する。 銀時は、それを見て嬉しそうに笑った。 銀「かーわいっ…!!」 ぎゅうっと、高杉の体を抱きしめる。 高杉は、熱くて苦しくてドキドキして気が気ではなかった。 銀「高杉、俺のこと好き?」 高杉は、ぎゅっと目を瞑る。 相当恥ずかしいんだな、と銀時はクスッと笑った。 銀時は、高杉の心臓の音にもとっくに気づいていた。 高杉は、迷いに迷う。 高「…っ……ん…」 言いたくないわけじゃない。 むしろ、素直に言ってやりたい。 だが、羞恥心とプライドがそれを邪魔する。 それを知った上で、銀時はさらに問う。 銀「…俺のこと、嫌い?」 高杉は、更にきつく目を瞑り、小さく首を横に振った。 高杉の体は、小刻みに震えていた。 銀時は、高杉のその仕草が1つ1つ堪らなかった。 もう、十分答えをもらったようなものだ。 でも、あまりにも可愛いので、もう少し虐めてやろうと思った。 銀「…嫌いじゃないのに、好きじゃないの?……そっか」 無駄に寂しそうに呟く。 もちろん演技だ。 高杉は、普段なら冷たくあしらって終わる。 だが、今回は場合が違う。 高杉はもう、何が何やら分からないような…泣きたいような気持ちになっていた。 銀「……………ぇ?」 銀時は、高杉の顔を覗き込んでぎょっとする。 …ぽたり。 涙が、高杉の綺麗な着物にあとを作っていた。 高「…ぅ…っ…ごめ……」 銀時は、高杉を無理やり膝から下ろす。 支えを失った高杉は、ぺたりと床に座り込んでしまう。
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