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突然の勢い余るほどに、恋人に抱きつかれ高杉はつい声をあげる。
それに気をよくした銀時は、高杉の癖のついた髪に頬擦りまでした。
「…っばァか……//」
高杉は、心底迷惑そうに鼻を鳴らす…ような素振りをする。
だがその滑らかな肌が薄く上気しているのを、恋人である銀時はけして見逃さなかった。
そして優しく、高杉の気持ちを揺さぶるように低く囁く。
「…高杉」
「ん………?」
心なしか、高杉の目元が多少柔らかくなっている。
とろんとした目…とはまさにこのことを言うのであろう。
小さく開いた薄桃色の唇、少しだけ熱を帯びた頬…。
普段の色気が10倍ほど増した恋人に、銀時は緩やかに鼓動を速めた。
「銀時…どうした?…」
「…あ、ごめんごめんっ!え、とさ…」
高杉の艶やかな姿に見とれていれば、そんな彼に訝しげに見られ銀時は一瞬戸惑った。
そうしてそれも束の間、銀時は意を決したように息を呑む。
高杉もその真剣な彼の面持ちに、静かに息を止めた。
やがて小さく、銀時の引き結ばれた唇が弧を描く。
「高杉…」
「…早く言え、バカ銀//」
「…――してェよ」
「ぁ?何だって?」
「っだァから結婚!結婚してェ、っつったのッ!!//」
「………はっ?」
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