94人が本棚に入れています
本棚に追加
若干照れながら、恋人に声を張り上げられる。
その空間に、言の葉に、高杉は一瞬目眩がした。
一生懸命、銀時の言葉を解読しようと試みる高杉。
そんな戸惑った愛しい人を見て、銀時は静かに自嘲した。
「…やっぱ、無理だよな」
「…結婚、って…、っ!」
頭を垂れて、肩を震わせて高杉は言い放った。
その声音は思った以上に震えていて銀時は驚きを隠せなかった。
まさか、そこまで嫌がられるとは思ってもいなかったのだ。
でも、それもそうだ。
自分達は同姓で、お国はそれをけして認めてくれはしなくて。
銀時は、自分が無遠慮に発した言葉を、一斉一大の告白を激しく悔やんだ。
「………とき」
分かっていたはずなのに。
銀時は思った以上に傷ついている自分を、心の内で笑ってやった。
高杉の小さな声は、銀時の耳に届かない。
「…銀時」
もう一度。
「銀時っ!」
もう一度もう一度もう一度。
「銀、…時ィ、クソ天パぁ…っ」
「天パなめんなァ!…あ、ちょっ、何で泣いて…っ!?」
ようやく届いたその声は、涙で濡れていた。
銀時がそれを拭うのを制するかのように、高杉は思いっきり叫んだ。
最初のコメントを投稿しよう!