相合傘

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「……離すのか?」 「うん。嫌だろ?でも、本当に嫌なら今も離すけど?」 意地悪を言ってみる。 栄太は黙り込み、俺は少しずつ栄太から手を抜いて見た。 すると、栄太は握り返してきて抜かれないようにした。 顔を見たら真っ赤で目を合わせてくれない。 「くすっ、可愛いな」 「!!」 素直になればいいのに本当可愛い。 「っ…やっぱ、離す!!」 「嫌だ、栄太が引きとめたんだから責任とって」 今度は俺が栄太の手をしっかり掴む。 栄太はビクリとしたけど何も言わない。 立ち止まっていた足を動かし歩き出す。 手を繋いだまま、そしてまたさり気なく栄太の横顔を見てみる。 栄太はやっぱり恥ずかしいのか頬が赤いけど、口元は微かに微笑んでいた。 「っ…栄太!」 「ん?どうした?やまも……」 その表情に俺は我慢できなかった。可愛すぎて。 俺は振り向いた栄太にキスをした。 栄太は驚いたのか何も言わない。
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