相合傘

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6月 梅雨の季節だ。 そして、それは時に辛いことだと思う。 「あ~ぁ…雨…やまねぇし。逆に強くなるってどうよ?」 俺、山本健吾は今校舎入り口で途方に暮れていた。 朝は晴天!!って感じの清々しい晴れ晴れとした天気だったのに何故こうなる? パラパラならいいんだよ。急げば帰れるし、コンビニ寄って傘も買える。でも、ザーザーってさ買う間も無く即効全身びしょぬれだよね。 「……はぁ、俺天気予報みてねぇよ」 「山本?」 その時、俺に幸福が訪れた。 下駄箱で靴を履き替え、傘を片手に持ってる黒髪とメガネが良く似合う俺の天使。 そう、恋人が居た。 「栄太!」 俺はすぐさま満面の笑顔で栄太に近づく。 名前で分かったかもだが、栄太は男。俺の恋人は男子です! でも、いいの。好きだから。 「委員会じゃなかったのか?」 「あー中止になって。それより、何目をキラキラさせてんだよ」 「俺ね傘忘れちゃって「ご愁傷様。俺は先帰る」えぇ!!えーた!まって」 行ってしまう。俺は栄太のシャツを掴み引きとめる。 栄太は振り返った瞬間、俺は捨てられた子犬のような目で見つめた。 見捨てないで!栄太!!
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