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「繋ぎたい?」
「は、はぁ?な訳ないじゃん!!」
強がっちゃって面白い。
栄太が俺の事好きだって分かってる。こうやって、悪態付くけどそれと同時に甘えてくる時もある。不器用だけど。
こういうのツンデレって言うのかな?
「うん、じゃあ気分変えてこっちから帰ろう」
俺は笑うのを堪えて人気のない方向の指さす。
嫌なら行かないけどね。でも、栄太は躊躇いつつ従ってくれる。
本当可愛い。
少し歩いたくらいで俺は傘を持っていた手を持ちかえる。
勿論、栄太が濡れないように栄太に傾けて持つ。
そして、栄太と近い手で栄太の手を握った。
栄太はびっくりして少し叫びつつ腕を抜こうと頑張っているけど、本気じゃない事は確かだ。真っ赤だし。
「栄太、いや?」
俺は悲しそうに栄太に問う。栄太は怯み無言になった。
栄太は俺の犬化に弱い。
「嫌……じゃない……けど」
「けど?」
「恥ずかしい……」
俯きながら呟く。
恥ずかしいか。ま、恥ずかしいから隠すためにいつも強い言葉言っちゃうんだろうけどね。
「大丈夫。人いないし人通ったら離せばいいじゃん」
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