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道だしくっつけるだけのキス。
数秒して唇を離す。
栄太の顔は真っ赤だった。
「本当、可愛いな」
「!!!っの、馬鹿野郎!!」
ボコッと俺はグーで殴られる。でも、そこまで痛くない。
栄太は顔を今まで以上に真っ赤にして俺を見ていた。
「場をわきまえろ!!健吾の馬鹿!!」
テンパリ過ぎて、名字じゃなく名前で呼ぶ。栄太は感情が高まると名前で呼んでくれるんだ。
「嫌だった?ごめん」
そんなことより、俺はマジで謝った。約束だったし。
外ではこういう事しないって。
我慢できなかった俺を責めたい。
栄太は真っ赤になりつつ、本気で謝る俺に言う。
「キスが嫌とかじゃなくって、外は嫌だ」
「うん、約束だったもんな。ごめん」
「っ……謝るな!」
でも、約束破ったし。
落ち込む俺に栄太は手を強く握り躊躇いがちに口を開いた。
俺の方を向かずにだけど。多分、恥ずかしいみたい。
「別に…、傘で隠れて…たから、今日は…ゆ、るすけど」
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