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最後の方は小さな声だった。
けど、俺はばっちりと聞こえた。
「え?じゃあ、もう一回「するか!!」
素早いな。
少し落ち込むけど、俺は微笑んで栄太に言う。
「うん、言ってみただけ。しないよ。栄太の嫌な事は」
栄太が大事だから嫌がることはしない。
決してね。
「好きだよ。栄太」
「……俺も……」
ぽつりと呟く栄太。
ハッキリとじゃなくても言ってくれるだけで幸せな気分だ。
栄太がそう言ってくれるだけで、俺は1日ずっと楽しく居られる。
ぐいっ
「あれ?栄太。おまえん家そっちじゃないだろ?」
栄太が急に俺を引っ張り違う道を行こうとした。
「………」
「栄太?」
「お前の家…行く……泊まりに……」
その言葉に俺は驚く。そして、微笑む。
栄太は耳まで真っ赤にして俯いて、それでも俺の手はしっかり握っていて。
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