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冬弥は俺達の一つ上の先輩で、冬弥とも中学時代からの友人であるのだが、冬弥は常に面白そうなことを考えており、その案は神懸かっている。
その実行力といえば、中学時代からの付き合いである俺が太鼓判を押しているほどで、学年問わずに人気のある、学年を超越した学校の人気者だ。
そんな彼と日常生活を共にしているのだから、俺達が人気者にならないはずも無いという訳で、これが俺が人気な理由の種だったりする。
「そんな事より、何してたんだよ冬弥」
冬弥が席に着くや早々、俺は味噌汁を啜りながら冬弥にそう訊ねる。
だが、冬弥の反応はいつにもなく歯切れが悪かった。
「いや……特に何かをしてた訳じゃないんだが……」
「何だよ、俺達に隠しごとか??もしかして彼女とか」
それを敢えて気にすることなく、直紀が冬弥を弄りに入る。
日頃の鬱憤が溜まっていたのだろうか。
しかし、冬弥の調子は変わらない。
その表情に俺達は拍子抜けさせられ、少しばかり真剣になって冬弥の言葉を待つ。
「いや、違うんだ……」
「えっ??」
「カノンの所に行ってたんだ」
「あっ……」
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