白昼夢

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こぶしが意地を張って開かない。 「ごめん…なんか、ちがってた…?」 怒っている僕の様子など初めて見たためすっかり動揺している。 子供の癇癪と思われたくなくて、 過ぎた背伸びをしていた僕を通して ユキが 見ていたのは兄なのではないか。 兄の恋人になりたかったのではないか。 僕はもう、僕であって僕ではなかった。
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