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二人の間に沈黙が流れだしてから少したってドアをノックする音が響いた。
「姫様、起きてらっしゃいますか?」
今の声はナナイ?
どうしてこんな早朝に...?
ベニはチラリとルタを見やる。
ルタはまだ少しぼんやりしている感じではあったが、とりあえずベッドの脇に身を潜めた。
「姫様?開けますよ?」
ノブに手をかける音がした。
「ナナイですね?どうぞ。」
何事もなかったかのように幼い頃からの従者であるナナイを部屋に通した。
「失礼します。あの、お一人ですよね?」
ドアを開けてからナナイは中へ1歩だけ踏み入ると異常なまでにキョロキョロと辺りを見渡し始めた。
まるで何かを探しているようであった。
「どうかしました?」
一向に部屋を訪れた理由も告げずに辺りを見渡すナナイに待ち切れずベニは尋ねる。
「はい。警備の為に姫様のお部屋の前を通りかかったところ、話し声が聞こえたような気がしたのですが...。それも男性のような...。」
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