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「けほっ…」
喉の奥から沸き上がってきた違和感を吐き出す。
枯れ果てた茶色の地面に、そこだけが妖しい薔薇の如く色を変えた。
「ル……タ……?」
掠れるような声で目の前に立っている青年の名を呼ぶ。
ルタと呼ばれた青年は苦しそうに微笑んだ。
返り血のベットリとこびりついたままの顔で。
「バッドエンドだったんだよ。ベニ。俺にも、お前にも、この運命に抗えるだけの力なんてなかったんだ。」
そう言ってから、スラリと腰に差していた剣を抜く。
ベニは、目の前で起こっていることをただただ見つめることしか出来なかった。
「次の運命は、ハッピーエンドで頼むよ。残酷な神様。」
すると、ルタがいきなりしゃがみこんで、ベニを強く抱き締めた。
「せめて、一緒に逝けるっていうだけ俺らにとっては、ハッピーエンドなのかもな?」
その、瞬間腹部に鈍い痛みが走り、目の前が真っ白になる。
「けほっ…、ありが…とうござい…ます。ルタ…。」
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