宿命

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ベニは空気を入れ換えようと、窓を開けた。 決して爽やかとは言えない、生ぬるい風が舞い込んできた。 これは、血の臭いでしょうか…。 微かに鼻をくすぐる錆びた鉄の臭い。 できる範囲で窓から身を乗り出してみるものの、見えるのはお城の外観ばかりで、町はほんの少ししか見えない。 諦めたように身を引き、窓を閉めた。 この町は、何かがおかしいと思うのです。 ベニは眉間に皺を寄せる。 夜な夜な香る血の臭い、腐れていく植物。 国民も決して生気があるとは、言えない顔をしているのだ。 このお城を除いては。
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