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「100年！？そんな筈....。」
あまりにも飛んでいる長い年月を耳にし、信じられないとベニは目を丸くした。
しかしルタの顔は至って真面目であり、嘘を言っているようには見えなかったので信じざるを得なかった。
「あくまで私の勝手な仮説ですが、私もあなたも今は生まれ変わった姿であり、あなたは生まれ変わる前の記憶がある、と。まさかそんなはずはないとは思いますが。」
落ち着いて頭の中を整理しながら、言葉を発する。
チラリとルタを見ると彼は軽く頷いてからゆっくりと口を開いた。
「まぁ、そういうことだな。生まれ変わった姿と言うが、俺達は姿は何一つ変わってない。」
信じられないような顔のベニを他所にルタは相変わらず真面目であり、嘘をついているようには見えない。
だからと言ってもそんな話をそうそう簡単に信じられるわけもなく、ベニが言葉を失っていると、ジッとエメラルドグリーンの瞳に見つめられ、何となく居心地が悪くなる。
ふいと目を逸らすと、ルタが困ったような、悲しいような顔で薄く微笑んだ。
そしてルタの視線はベニの手元に移る。
「手首にタトゥーの様な跡はないか？」
どうしてそのことを知っているのでしょう？
確かにベニの左手首には鎖のような柄が描かれたタトゥーのようなものがあった。
これはベニ自身にもいつついたものなのかわからず、生まれつきのものではないかと思っている。
しかし、家族や王家と長い関わりのある家臣以外にはこのことは言っていないはずなのだ。
それに今しがたあったばかりの彼が知っているのはどう考えてもおかしい話だった。
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