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ベニが固まっているのを見るとルタは堪えきれなくなったのか、半ば強引にベニの、左腕を掴み袖を軽く捲くりあげた。
「何をするのです!?」
驚き、振り払おうと大きく縦に手を揺すろうとしたが、手がピクリとも動かなかった。
「これは!?」
ベニの抵抗をまるで気にも止めずにルタの視線は左手首に刻まれている禍々しささえ感じる鎖模様に釘付けとなっていた。
目を険しく細め、口にも力が入っているのかキュッと噛み締めていた。
「これが私の手首に気がついた時からある模様です。」
ルタの様子がおかしいことを不思議に思ったベニは彼の顔を伺いながら静かに告げた。
「水龍との契約の証はどうしたんだ?どうして封印の証がお前に刻まれているんだ?」
ルタは絶望したようにボソボソと小さく呟きながらじっと手首を見つめていた。
水龍?
証?
封印?
彼は一体何を言っているのでしょう?
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