ある晴れた日の事でした

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10月1日 pm8:38 【新東京市、第2区中央センター街】 目下、少年には困った事が幾つか残っていた。 一つ目、それはいまさらな悩みでもあった事だが、金が無いこと。 二つ目、最近になって聞いた事だが、『あの』絶対強者が生徒会のメンバーとして都市の治安を守ろうと必死になっていること。 とは言ってみたものの、決して自分は悪い事をしている訳ではないのだ。 ただ結果的に悪い結果を導いてしまう、そんな不幸な体質なのだから仕方がない。 この前なんか、何でも屋を営む自分の所に、本物のヤクザがなだれ込んできたり、抗争に巻き込まれてしまったり、と色々大変な事になってしまった。 理不尽だよ、まったく。 「…………………」 新東京市、とりわけ夜賑わうセンター街を歩いているわけだが、別に何の目的もなく歩いているワケでは無い。 今日の何でも屋の依頼は、喫茶店で受ける事になっている。 待ち合わせ、だそうだ。 「あー……ったく。だりぃなこの野郎。ぶち殺すぞ」 アッシュブラウンの髪を夜の街に滲ませながら、ダメージジーンズに黒の上着を羽織った少年は首を鳴らす。 あまりいい学園に通っていなかった彼ではあったが、足し算引き算はできる筈だ。 だがどうだろう、この街にはびこるカラーギャングの人の数は。 ざっと見ても、赤いのと青いの、それに白いのもいる。 「これだから能力機動隊の皆様に迷惑かけんだよ。俺の身にもなれや」 と、ため息一つ。 魔技術都市が一年前──何者かによってテロの対象にされ、何者かによって守られて早くも一年がたった。 魔技術都市は体制を取り繕うので限界なのだろう。 カラーギャングは増加の一途を辿っていた。
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