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「あ、えっと…………まぁ、いざという時は盾になるから」
「それお前が決めることじゃねぇだろ」
「は、はい……頑張ります」
「……いやいや、頑張んなよボケ」
非常にだるそうに、しかし律儀にそう口を開くと、彼はチラッと少女を見た。
着ている制服から察するに、どうやら新東京の生徒では無いらしい。
とはいえもちろん確信は出来はしないけど、と半ば呆れながらも荒々しく息をつく。
新東京市
現在、新東京市には、5つの有名学園があった。
それは新東京学園、条貴笠松学園、帝東帝理学園、東雲台学院、天義学園であり、次世代魔術のエリート中のエリートが通う学校である。
この内、有名所では新東京学園には絶対強者と第二位が、帝東帝理学園には時空超越の存在【エターナルイグザナー】と神の息吹き【ゴッド・ブレス】がいると聞いた事があった。
まぁこの第2区は天義学園が占めている場所なのだから治安は勿論良い方の筈なのだが、どうも最近はおかしい気がする。
減少傾向にあったカラーギャングも増大しているし、何よりこの街の賑わい様は異常とも取れていた。
ちなみになのだが、鷲宮と岬は同じ高校に通う間柄だったりはする。
他に別段取り立てるような事はもちろんないので、仲がいいのかどうかはかなり微妙な線をいっているだろう。
それに今は『元』と呼ぶのが相応しいのだし。
しかし、まぁ、鷲宮がこの『何でも屋』を始めてからは仕事を見つけてきてくれたり、クラスで困っている人を鷲宮に紹介したりと助けになってくれているのだ。
感謝すべきなのだろう。
「………ま、とりあえずはわかった。ポーチ探しやってやる」
「は、はい!ありがとうございます!」
ペコリ、と頭を下げる少女。
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