【本文】白鮪｜6ページ - 小説投稿エブリスタ

勝之は血のように赤い、禍々しいような桜の花を見ながら幼い日の親父の言葉を思いだしていた。「ｶﾂよ。この寺の彼岸桜が鮪の来る時季に咲いたなら、その年はシビ(鮪)は大漁や。見てみぃ。あの岬の先の三本松を。あの三本松が龍飛崎にかかる場所に隠れ根がある。餌のサンマはあそこに集まる。そいつを目掛けてシビ(鮪)がくるんや！」

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