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しばらくぼーっとしていたのか気づいた時にはすでに福の姿はなく、代わりにキッチンで水を流す音だけが響いていた
慌ててキッチンへと急ぐとそこには食器を洗う福ちゃんの姿が
ホンマ奥さんみたいや…
後ろから抱きつきたい衝動に刈られながらその気持ちを必死に抑え、食器を洗う福の隣に立ち布巾を手に取った
え?、と福は驚いた表情を俺に向けたが「2人でした方が速く終わるやろ?」と応えると福の頬が緩み、「おん…ありがと」と俯きながらまた皿洗いを始める
福から洗い終わった食器を受け取り、布巾で拭きあげていく
「先に風呂入りぃや、仕事で疲れてんやろ?」
「あほ、それやったら福やって同じやろ…慣れない研修でむしろ福の方が疲れてんのとちゃう?」
「ははっ…徳井には嘘つけへんな…」
「当たり前や!!福のことなら何でもお見通しやで!!」
「なんやねんそれ(笑)」
2人の笑い声がキッチンに響き渡る
「俺はお前のことがまだわからへんけどな…(ボソッ)」
「ん?何か言うたか?」
「いや…気のせいや」
?
何か重要なことを聞き逃した気がするんやけど…
―キュッ
「ほら、手が止まっとるで」
福が何を言いたかったのか考えていると、すでに作業を終わらせた福が布巾を手にし、俺の代わりに食器を拭いていた
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