気付いたその日から

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「いやらしい顔してんで」 「え?」 肩を叩かれ、我に帰るとそこには顔をしかめさせている福ちゃんがいた 「また変なこと妄想してたんやろ」 軽く後退りをする福ちゃん 「そんな引かんでもええやん」 そもそもかわええ福ちゃんが悪いんやんか 福ちゃんのおかげで妄想に拍車がかかるというかなんというか… ―バシッ 「痛ッ」 今度は頭を叩かれ「顔にやついてんで」とお叱りをうける 「妄想も大概にせぇや…それより早よ教室に行かなくてええんか?」 もうチャイムなったで?と福ちゃんが指差す先の時計を見れば、ちょうど9時を指していた いや、もう9時1分かな? 「ッて!!のんびりしてる場合とちゃうやんけ!!」 「気づくの遅いんじゃボケ」 なんてことを言いながら福ちゃんは急ぐ様子を見せない 「もうHR終わらせてきたんか?」 「ん?さぁ…今からなんやない?」 ん?どういうことや? 俺が疑問に思っていることがわかったのか「朝からちょっと出張やねん」と言葉を継ぎ足してくれた 「じゃあ誰がHRを?」 「副担に頼んである」 そう言うと福ちゃんは自分の荷物を手に取り扉の前まで移動する .
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