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「行こう。君の弟と祖父が待っている。」
フリーガンをホルスターに納め、冷蘭の手を取り、青年は歩き出した
豪邸の外には、冷龍達がその帰還を待っていた
「ね、姉ちゃん!」
外に出て来た青年と冷蘭を見つけ、冷龍は走り出す
そして、最愛の姉に力一杯抱き着いた
「よかった…!姉ちゃんが無事で…本当によかった…!」
「龍…心配かけてゴメンね。」
人目も憚らずワンワンと泣く冷龍の頭を、冷蘭はソッと撫でてやる
「若いの。」
冷巌が青年に歩み寄り、手を握り締める
「お前さんにはこの言葉しか言えん…ありがとう…ありがとう。」
何度も何度も、冷巌は青年に頭を下げて感謝した
「礼には及ばない。俺はただ恩を返しただけだ。」
青年は冷巌の手を離し、静かに歩き始めた
「あ、あの!」
冷蘭が青年を呼び止める
それに答えるように、青年はゆっくりと振り返る
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