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あの村を出てから丸二日…シロガネは飲まず喰わず歩き通していた
彼が母国を離れ、ここに来てから三年はたつ
そして、行き倒れた回数は二桁に達している
せめて、村で水だけでも分けて貰えば良かったものを…彼は余りにも無計画だった
「ワンッ!ワンワン!」
遠くの方から犬の鳴き声が聞こえる…
それと、人間らしき足音も…飼い主だろうか
起き上がりたくとも起き上がれないシロガネは、そのままジッとしている事しか出来なかった
「ッ!人が倒れてる!だ、大丈夫ですか!?」
犬の飼い主がシロガネに気づき、駆け寄ってきた
声は若い…女の子だろう
シロガネは抱き起こされ、目を開く
そこには白人の少女とシェパード犬がいた
「だ、大丈夫ですか?」
少女はシロガネの顔を覗き込み、心配そうに問い掛ける
「す、すまないが…水を…くれないか…?」
大丈夫かどうかはさておいて、シロガネは声を振り絞って水を所望した
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