ならず者

4/19
前へ
/44ページ
次へ
…数分後 「ふう…すまない、助かった。」 中身がカラになった水筒を少女に差し出し、礼を言う 「いえ、困った時はお互い様ですから。」 少女はニコリと微笑みながら、水筒を受け取る 「武器を持っているところから見ると…賞金稼ぎの方ですか?」 「まあ…そんなところだ。…君は?」 「私は近くの町の住人ですよ。この子の散歩をしてたんです。」 そう言って、少女は傍らに寝そべっている犬の頭を撫でる 「自己紹介がまだでしたね。私はミリー。この子はジョンっていいます。」 「俺はシロガネ。黒羽シロガネだ。」 「黒羽 シロガネ…日本の方なんですね。」 「君こそ現地人には見えないが…『移民』か?」 「ええ、10年前に父と一緒に移ってきたんです。」 各国は、領地とした土地に移民として自国の人間を送り込んでいる 勿論、こんな危険な地に喜んでいく者はいない
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加