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「しかし…不用心だな。」
前を歩くミリーに、シロガネは話しかけた
「無法者どもが徘徊しているかも知れんのに、散歩しにここまで来るとは。」
話しを聞く限り、無法者達は町の近くに潜伏しているはず…
それなのに、彼女は犬一匹だけ連れてこんなところまで来ていた
不用心…という言葉では済まないほどの無茶だ
「それは…心配ないです。」
「?…何故だ?」
「町長している私の父が、彼らに言ったんです。『金は用意する。その用意をしている間は、どうか住人に手を出さないで欲しい』って。」
「彼らはその言葉に頷きました。だから、仮に私を見つけても手を出したりはしませんよ。」
「………………。」
シロガネは眉をひそめた
甘い…その考えは甘すぎる
奴らが…無法者どもがそんな口約束を守ると思っているのか?
奴らは目の前に獲物がいれば、約束など簡単に破り捨てて襲い掛かるだろう
はっきり言って、彼女と彼女の父は無法者をナメきっている…
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