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「あっ!気がついたんですね。」
少女が青年に近寄る
その声は、意識を失う前に聴いたモノと一緒だった
「ここは…どこだ?」
何故、自分はここにいるのか
それがわからない青年は、辺りをキョロキョロと見回す
どうやらここは、木造の小さな民家のようだが…
「ここは…名もないただの村だよ。行き倒れてたアンタを俺と姉ちゃんがここまで連れて来たんだ。」
少女の近くにいた少年が、青年にそう教えてやった
少年の声も、聴いた事のある声だった
「まあ、そういう事じゃ。何もない村じゃが、疲れがとれるまで休んでいくといい。」
少女達の保護者であろう老人が、青年に優しく言った
「おいおい、じいちゃん。こんな素性のわからねぇ男にそんなこと言っていいのかよ?」
少年はそう言いながら、青年を睨みつける
どうやら何者かもわからない青年を警戒しているようだ
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