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「こら!失礼な事を言うんじゃないの!」
少女が少年の頭をピシャリと叩く
「だ、だってよ~…。」
叩かれた頭を押さえながら、少年はまだ何か言おうとしたが…
少女が再び手を振り上げたため、大人しく黙る事にした
「ごめんなさい。弟が失礼な事を…。」
「いや、いい。誰かもわからん奴を疑うのは当然の事だ。それより…」
青年が言葉を続けようとしたその時
腹が『グゥ~』と音を鳴らし、言葉を遮ってしまった
「………すまん。」
「ふふっ、いいですよ。こんなモノしかないですが、どうぞ。」
少女は微笑みながら、お粥の入った茶碗を差し出した
それを受けとった青年は、いただきますも無しに食べ始める
「恩に着る…。」
あっという間にお粥を平らげ、小さくそう呟いた
「…ところでよ、アンタ、名前くらい名乗ったらどうだい?」
不機嫌そうな少年が、これまた不機嫌そうな声で青年に問う
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