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神殿自体は巨大だが
階段はそこまで高い所まで続いているようには見えなかった
二階に当たるであろう場所から先ほど少女と会話した場所が見える
少ないがちらほらと人が見える
いかにも鍛冶屋風のおじいさん
神父と信者であろう男女
杖を片手にこちらを値踏みするような目で見ている男は魔術師であろう
そして1人青く淡い体の戦士風の男が俯いていた
そんな事を考えながら階段を登り続ける
「デーモンを狩る者ですね?」
迷っていると上から声が聞こえる
声のした方へ行けそうな階段を登ると
そこには少年とも少女ともとれぬ顔をした人が何人も壁に寄りかかっていた
あるものは目を開きあるものは目を閉じ
だが
皆共通して動く事は無かった
その中の1人たった1人だけ動けるようだその1人が語りかてくる
「貴方が新たに神殿に囚われし者ですね?」
「ええ・・・どうやら」
「名は?」
「名前?あれ?」
そう言えば自分の事が一切思い出せない
「どうやら貴方のソウルは強大なデーモンに奪われたようですね、あの火防女が奪えないとは・・・」
そのまま下を向いてしまう要人
「あの・・・彼女はなぜ封印を?」
要人はしばらくこちらの目を見つめると口を開いた
「彼女はデーモンです古き獣を鎮めるために協力してくれてはいますが、万が一があってはと思い封印をされました」
そう言うと今度は目を反らして話を始める
「詳しい話を知る者はもう居ませんが、6つの地にデーモン、魂を喰らうモノが突如現れました、全てのデーモンを殺し古き獣を再び眠りへ誘うための最後の砦がここ楔の神殿です」
「楔の神殿・・・」
「貴方は見たところ戦い方を心得ているようですね、デーモンに飲まれそうな世界と火防女の自由のためにデーモンを殺して頂けませんか?」
火防女・・・彼女のためにか・・・
「しかし貴方も神殿に囚われていますので、協力を拒否したところで帰ることは叶いませんがね、
まああえて返事は聞かないでおきましょう、
協力する事が1番の自由への近道ですが」
要人はそう言うと疲れたようで俯いて黙ってしまった
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