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荊は適当に返事をして庵乃と同じように仁の隣に来た。
「二人で並んでたら気持ち悪いから手伝ってやる」
荊は仁の荷物に手を伸ばすが髪から落ちる滴が荷物にかかりそうだ。
「荊、滴が落ちるから先に髪を拭いてくれ」
仁が言うと荊の顔が歪む。
「オレ様が手伝ってやるって言ってんだ。ゴチャゴチャ言うんじゃねぇよ」
美人なのに凄い毒を吐いた。
仁ははいとしか返事ができず、荷物を片付ける。
荷物が片付け終わった頃、エレベーターのドアが開いて祀とビクスが現れた。
制服から私服に着替えているところを見ると授業が終わったらしい。
「今日は食堂に行くのはやめた方がよい」
「ワタクシ達が持ってきて差し上げましたのよ」
二人はガラガラとワゴンを仁達の前まで移動させた。
「何で食堂に行かない方がいいんだ?」
仁が口を開くと祀が答える。
「判日の若に女難の相が出とるんじゃよ」
「早い話、モテモテってことなんだけどね」
ビクスが説明してくれた。
良いことじゃないのか?と仁が思っていると祀とビクスはエレベーターまで移動する。
「妾達は帰るが、食事が終わったらエレベーターの前に置いておけ」
祀は言って二人は去っていった。
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