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その時、エレベーターのドアが開いた。
「話は後で。先に校長先生に挨拶しよう」
エレベーターを降りた。
エレベーターから出るとそこは廊下ではなく一室だった。
「デカイ校長室」
うわぁと仁は眺めていると庵乃はさっさと校長の前に行ってしまった。
「仁、早く」
庵乃に呼ばれ、仁は庵乃の隣に立った。
校長は優しそうな男性だった。
歳は仁の亡くなった父と変わらないかもしれない。
と観察していると校長が口を開いた。
「初めまして、判日君。校長の茶蒲(ちゃがま)です」
よろしくと手を出してきたので、仁は握手をした。
「困ったことがあったら泉堂君に聞いてくれたらいいから。私よりこの学園について詳しいからね」
ニコニコとあり得ないことを言っている。
庵乃も突っ込まないところを見ると本当らしい。
「私はいつでもここで暇をしてるので気が向いたら来なさい」
「は、はぁ」
返事をすると、すぐに庵乃が口を開いた。
「それでは校長先生、教室に向かいます」
庵乃は一礼して歩き出したので、仁も慌てて一礼して庵乃を追った。
エレベーターに乗り、仁は口を開いた。
「校長先生なのにあんな態度でいいのか?」
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