76人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
「ちゃんと相手してたら日がくれるからいいんだよ」
そう言われればそんな気がするので仁はそれ以上言うのをやめた。
エレベーターは二階に着き、庵乃に付いていき、教室に入った。
仁の目に入ったのは女の子。
どこもかしこも女の子だらけだ。
「女の子ばっかりのクラスなんだな」
庵乃に言うと庵乃は首を横に振った。
「そこの机に座ってる木刀を持ってるヤツは男だよ」
庵乃が言ったヤツを見ると、ロン毛で長ランを着た美人の女の子だった。
「えっ?ヤンキーな女の子だろ?」
「アァ?誰が女だって?」
気付いたら長ラン美人が目の前にいた。
声は完璧に男だ。
「す、すいません」
縮こまっていると庵乃が助けてくれた。
「荊、転校生なんだからしかたないだろ。女って言われたくないなら髪切ればいいじゃん」
「はぁ?テメェの方が女っぽいだろ!髪は切らねぇからな」
喧嘩が始まり、仁はワタワタする。
が、喧嘩は治まりそうにない。
そこへ日本人形のような女の子がやってきた。
「これこれ。叙の若に泉堂の若。転校生の若が困っておるよ」
「「祀さん」」
二人は喧嘩をやめた。
そして祀と呼ばれた女の子が仁の方を向いた。
最初のコメントを投稿しよう!