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「転校生の若、すまないな。こうみえてこヤツらは仲がいいのじゃ。転校生の若、名は何と申す?妾は祀雛(まつりひな)と申す」
「オレは判日仁です」
祀はフムフムと頷いた。
「判日の若、こヤツらと仲良くするのじゃぞ」
祀はどこかに行ってしまった。
不思議な女の子だなと仁は思っていると長ラン美人に声をかけられた。
「お前、判日仁って言うのか」
うんと返事をすると顔をマジマジと見られた。
「ふーん。コイツがねぇ。オレは叙荊(じょけい)だ」
荊は握手を求めてこなかった。
「荊って呼んであげてね」
庵乃が口を開いた。
「はぁ?庵乃の分際で」
「いいじゃん。男三人仲良くしないと祀さんに怒られるし」
荊は悔しそうに顔を歪めた。
祀って一体と仁は思った。
そこへ女子の群がやってきた。
仁は庵乃や荊に用があるんだろうと気にしないでいると女子の群が仁を取り囲んだ。
「貴方が転校生の判日仁?」
「そ、そうだけど」
「本物だわ」
「人間よ」
あれよあれよと言う間に仁は揉みくちゃにされる。
庵乃と荊が何やら叫んでいるが聞き取れない。
「こら、そこの女達!」
小鳥が鳴くような声が聞こえた。
女子達が一斉にそちらを向いた。
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