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庵乃が連れていった先は保健室だった。
保健室には先客はいないようで保健医が椅子に座ってお茶を飲んでいた。
「稲荷先生、少しの間ここにいさせてください」
庵乃が保健医に言うと保健医はソファーに座るよう促した。
ソファーに座ると保健医がお茶とお菓子を用意してくれた。
「泉堂君と叙君が一緒にいるなんて珍しいと思ったら転校生の子と一緒だったんだね。初めまして、保健医の稲荷(いなり)です。ゆっくりしていってね、判日君」
銀色の髪を持つ美人保健医(性別は判断できない、年齢は校長と同じっぽい)は紹介もしてないのに仁の名前を呼び、微笑んだ。
「何でオレの名前を知ってるんですか?」
「校長先生に教えてもらったんだよ」
さらりと返事をされ、仁はなるほどと思った。
そんな仁の両隣では庵乃はお茶を飲んでいて、荊は寝ようとしている。
仁はなぜここに来たのか理解できなかった。
「あの、庵乃」
庵乃はお茶を飲むのをやめ、仁を見る。
「保健室には何で来たんだ?」
「非難だよ。宮結先生が暴走し出したし、授業にならないからね。今日はビクスさんと祀さんが両方いるみたいだし、オレ達がいなくても大丈夫」
庵乃はお茶を飲んだ。
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